≪59≫人がよろこぶ6:信頼を確立する「約束」
人・物・金といった「資本」が不足している時には、
「資本を大切にし、資本を回転させて、お金を取る」という
「資本主義」が経済活動の中心でした。
そして、希少な資本をもつ「資本家」が偉いとされていました。
(よって、資本家である「株主」が偉いとされていました。)
しかし、希少であった資本も、今では充分に満たされ、
その価値が低くなっています。
今、特にこの「金あまり大国・日本」では、
希少にして価値あるモノは、資本ではなく、
その資本に付加された「知性」「感性」「理性」「悟性」という
目に見えない価値「人間力」です。
このような「新しい価値」の時代には、
その価値に相応しい、「新しい考え方」が必要です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【今週のテーマ:約束】
「人間力」が価値を持つ時代には、
人間力を高めることで、企業価値も高まります。
特に、不信や不安が広がる昨今、価値を高めているのが
「信頼」という人間力です。
では、どうすればこの「信頼したい」「信頼されたい」という
社会の強いニーズに応えることができるでしょうか。
その一つの切り口が、「約束」を守ることです。
ところで、「約束」とは、何でしょうか。
岩波国語辞典によると
[1] 相手に対し、または互いに、取決めを行なうこと。
その取決めの内容。
[2] (社会一般に約束として通用する)規定。
[3] かねてから定まっている運命。約束事。
…とあります。
こうしてみると、「約束」とは、
人と人とが支えあって生きている世界において、
共同体における生産性を高めるための前提ともいえます。
たとえば、納期を守るからこそ、その納期を前提とした
次の生産計画が可能になります。
また、部品の品質・性能が守られているからこそ、
不良品がなく、お客様に喜んでいただける商品が提供できます。
更に、電車が決められた時間に運行されるからこそ、
タイトな予定を立てることが可能となり、
そこから有意な時間が捻出されます。
法律や規則が守られるからこそ、
身の不安を感じることなく、
安心して仕事や生活ができます。
夜道が危険でないからこそ、仕事が遅くなっても、
毎日なにごともなく帰宅できます。
しかし、これらのことは決して当たり前ではありません。
世界には、
踏み倒すことを前提として借金を重ねる国や、
分からなければよいと、粗悪品を平気で生産する国、
電車の一時間の遅延など、当然であると開き直る国、
不法地帯で、昼間でも死の危険と隣り合わせの国など、
約束が守られないことを何とも感じない国もあります。
このような国では、
高付加価値の商品やサービスが育つのは難しいと言えます。
魅力ある消費を開発するために、衆知を集めたり、
精神的・文化的に優れた商品を開発する感性や悟性を磨く為には、
まず、精神的に安定した「共同体」づくりが不可欠です。
このように「高付加価値経済」を支える
「共同体の価値」を守り・高めるということの重要性に気づき、
一人でも多くの人を巻き込んで、本格的に取組む必要があります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しかし、約束を守る徳高き日本においても、
いつのまにか企業の目的が「株の値上がり」となり、
貨幣至上主義に傾きすぎたきらいがあります。
中には粉飾決算までして株価を上げ、
会社を自分の金儲けの道具として考える人もありました。
これに反発し、共同体(社会)における企業の価値の見直し、
中でも、企業の法令遵守(コンプライアンス)など
「約束」を守ることの大切さが、注目されています。
しかし、なぜ、約束を守ることが企業にとって重要なのか、
充分に議論されている企業が少ないと感じます。
単に「約束を守らなければ、罰を受けるから」
…いうだけのものであれば、
その取組は甘いと言わざるをえません。
実は、約束を守るということは、
共同体にとっても大切なこと(全体的な幸福の前提)ですが、
それは「付加価値主義経済」において企業が生き残るための
「市場のふるい」でもあります(個別企業の幸福の前提)。
・・・・・・・・・・・・・・・・
なぜ、約束を守るか否かが「市場のふるい」となるのか
理由を説明しましょう。
繰り返しになりますが、
今後、付加価値主義経済においては、人間力が勝負になります。
今までは資本を持っている人に発言力がありましたが、
今後は、金銭の多寡は問題ではなく、
人間力が発言力の基盤となるということです。
そして、お金という単一の基準(ものさし)ではなく、
人間力という多岐にわたり、しかも複合的な要素で勝負するので、
あらゆる方面において、リーダーやミニリーダーが誕生します。
コミュニティの数だけのリーダーが誕生すると言えます。
そしてそのコミュニティは単独で存在するのではなく、
重なりあって影響を与えながら成長します。
そのリーダー達には、ある特徴が見られます。
人間力を鍛えるため、その道で自らに戒めを課し、
何らかの努力している…という特徴です。
なぜなら、知性・理性・感性・悟性といった「人間力」は、
鍛え続けなければ、すぐに錆付き、劣化するからです。
人間力が衰えれば、それはコミュニティの衰退・消滅という形で
結果が現れます。
そして、道における努力・研鑽を怠らず、
常に人間力を鍛えている人々が、
オピニオンリーダーとしても信頼を集めるようになります。
この、自らに、何らかの戒めを課し、努力・研鑽している人には、
共通する特徴が見られます。
それは、戒めを破って生活する人に対し、
直感的に嫌悪を感じると言う特徴です。
「戒め」とは、「自分に対する約束」と言えますが、
この戒めを課し、それを守って生きている人には
仏教的に言うと「戒体」というオーラが生じてきます。
この「戒体」という、身体から発するオーラが、
約束を守らない人に対する防波堤として働き、
自然にはじく様になります。
その人たちがオピニオンリーダーになるのです。
これまでは購買力のある資本家と、オピニオンリーダーが、
重なり合う部分がありました。
中には自分の利益のため、もしくは利害関係者のため、
市場を操作し、一般購買者に不利益をもたらす場合もありました。
しかし、市場形成となんら利害関係のない人々、
しかも、何らかの形で「人間力」を鍛えている人たちが、
次のオピニオンリーダーとなります。
現在は、このオピニオンリーダー達が頭角を現すところまで
人間力を鍛えているとは言いかねますが、
今後5年間で、この流れが明確になってくるでしょう。
そして、このオピニオンリーダーの好き・嫌いの直観には、
合理性や論理性を超えた判断が加わり、
約束を守らない企業は、
その品格・品性のオーラのなさゆえに、
市場からはじき出されるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今、この文章を読み、この場で「そうだ」と思える人は、
おそらく一握りの方でしょう。
なぜなら、旧来のオピニオンリーダーが生息するマスコミには
充分な「人間力」を持った人が、まだ僅かしかいないからです。
虚像に生き、思考停止した世界を見ても、時代の流れは見えません。
しかし、よくご自分を振り返ってみてください。
なぜ、好き・嫌いを感じるのですか?
人間の感性は、なぜ上等、下等を感じるのでしょうか。
そして、あなたの直感的判断は、
あなただけが感じているものですか?
感性的なことは主観的なことのように見えて、
意外に客観的(普遍的)であることが多いのはなぜですか。
他の人もそう感じるなら、
そこに何か理由が存在するのではないでしょうか?
これらの「なぜ」という問いかけは、
人間力を中心とする「付加価値主義経済」が
本格的に動き始めたならば、避けて通れないものとなるでしょう。
この「なぜ」にいち早く答えを見出し、
来るべき時代に備えていただければと、願っています。
=========================
「信頼」というテーマを「理解」「透明」「約束」「自己信頼」
という4つの切り口で考えています。
今回は、「約束」でした。
約束には、今回とりあげた論点意外にも、
●自分自身との約束
●企業の約束:「企業理念」「経営計画」「ブランド」等
●生まれる前の約束。
など色々な論点があります。これらの点については、
また機会があれば触れてみたいと思います。
なお、誠に勝手ではありますが、個人的な事情により、
『仕事の悟り』を2週間ほどお休みさせていだきます。
★★★次回は10月15日頃お会い出来る予定です★★★
「資本を大切にし、資本を回転させて、お金を取る」という
「資本主義」が経済活動の中心でした。
そして、希少な資本をもつ「資本家」が偉いとされていました。
(よって、資本家である「株主」が偉いとされていました。)
しかし、希少であった資本も、今では充分に満たされ、
その価値が低くなっています。
今、特にこの「金あまり大国・日本」では、
希少にして価値あるモノは、資本ではなく、
その資本に付加された「知性」「感性」「理性」「悟性」という
目に見えない価値「人間力」です。
このような「新しい価値」の時代には、
その価値に相応しい、「新しい考え方」が必要です。
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【今週のテーマ:約束】
「人間力」が価値を持つ時代には、
人間力を高めることで、企業価値も高まります。
特に、不信や不安が広がる昨今、価値を高めているのが
「信頼」という人間力です。
では、どうすればこの「信頼したい」「信頼されたい」という
社会の強いニーズに応えることができるでしょうか。
その一つの切り口が、「約束」を守ることです。
ところで、「約束」とは、何でしょうか。
岩波国語辞典によると
[1] 相手に対し、または互いに、取決めを行なうこと。
その取決めの内容。
[2] (社会一般に約束として通用する)規定。
[3] かねてから定まっている運命。約束事。
…とあります。
こうしてみると、「約束」とは、
人と人とが支えあって生きている世界において、
共同体における生産性を高めるための前提ともいえます。
たとえば、納期を守るからこそ、その納期を前提とした
次の生産計画が可能になります。
また、部品の品質・性能が守られているからこそ、
不良品がなく、お客様に喜んでいただける商品が提供できます。
更に、電車が決められた時間に運行されるからこそ、
タイトな予定を立てることが可能となり、
そこから有意な時間が捻出されます。
法律や規則が守られるからこそ、
身の不安を感じることなく、
安心して仕事や生活ができます。
夜道が危険でないからこそ、仕事が遅くなっても、
毎日なにごともなく帰宅できます。
しかし、これらのことは決して当たり前ではありません。
世界には、
踏み倒すことを前提として借金を重ねる国や、
分からなければよいと、粗悪品を平気で生産する国、
電車の一時間の遅延など、当然であると開き直る国、
不法地帯で、昼間でも死の危険と隣り合わせの国など、
約束が守られないことを何とも感じない国もあります。
このような国では、
高付加価値の商品やサービスが育つのは難しいと言えます。
魅力ある消費を開発するために、衆知を集めたり、
精神的・文化的に優れた商品を開発する感性や悟性を磨く為には、
まず、精神的に安定した「共同体」づくりが不可欠です。
このように「高付加価値経済」を支える
「共同体の価値」を守り・高めるということの重要性に気づき、
一人でも多くの人を巻き込んで、本格的に取組む必要があります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しかし、約束を守る徳高き日本においても、
いつのまにか企業の目的が「株の値上がり」となり、
貨幣至上主義に傾きすぎたきらいがあります。
中には粉飾決算までして株価を上げ、
会社を自分の金儲けの道具として考える人もありました。
これに反発し、共同体(社会)における企業の価値の見直し、
中でも、企業の法令遵守(コンプライアンス)など
「約束」を守ることの大切さが、注目されています。
しかし、なぜ、約束を守ることが企業にとって重要なのか、
充分に議論されている企業が少ないと感じます。
単に「約束を守らなければ、罰を受けるから」
…いうだけのものであれば、
その取組は甘いと言わざるをえません。
実は、約束を守るということは、
共同体にとっても大切なこと(全体的な幸福の前提)ですが、
それは「付加価値主義経済」において企業が生き残るための
「市場のふるい」でもあります(個別企業の幸福の前提)。
・・・・・・・・・・・・・・・・
なぜ、約束を守るか否かが「市場のふるい」となるのか
理由を説明しましょう。
繰り返しになりますが、
今後、付加価値主義経済においては、人間力が勝負になります。
今までは資本を持っている人に発言力がありましたが、
今後は、金銭の多寡は問題ではなく、
人間力が発言力の基盤となるということです。
そして、お金という単一の基準(ものさし)ではなく、
人間力という多岐にわたり、しかも複合的な要素で勝負するので、
あらゆる方面において、リーダーやミニリーダーが誕生します。
コミュニティの数だけのリーダーが誕生すると言えます。
そしてそのコミュニティは単独で存在するのではなく、
重なりあって影響を与えながら成長します。
そのリーダー達には、ある特徴が見られます。
人間力を鍛えるため、その道で自らに戒めを課し、
何らかの努力している…という特徴です。
なぜなら、知性・理性・感性・悟性といった「人間力」は、
鍛え続けなければ、すぐに錆付き、劣化するからです。
人間力が衰えれば、それはコミュニティの衰退・消滅という形で
結果が現れます。
そして、道における努力・研鑽を怠らず、
常に人間力を鍛えている人々が、
オピニオンリーダーとしても信頼を集めるようになります。
この、自らに、何らかの戒めを課し、努力・研鑽している人には、
共通する特徴が見られます。
それは、戒めを破って生活する人に対し、
直感的に嫌悪を感じると言う特徴です。
「戒め」とは、「自分に対する約束」と言えますが、
この戒めを課し、それを守って生きている人には
仏教的に言うと「戒体」というオーラが生じてきます。
この「戒体」という、身体から発するオーラが、
約束を守らない人に対する防波堤として働き、
自然にはじく様になります。
その人たちがオピニオンリーダーになるのです。
これまでは購買力のある資本家と、オピニオンリーダーが、
重なり合う部分がありました。
中には自分の利益のため、もしくは利害関係者のため、
市場を操作し、一般購買者に不利益をもたらす場合もありました。
しかし、市場形成となんら利害関係のない人々、
しかも、何らかの形で「人間力」を鍛えている人たちが、
次のオピニオンリーダーとなります。
現在は、このオピニオンリーダー達が頭角を現すところまで
人間力を鍛えているとは言いかねますが、
今後5年間で、この流れが明確になってくるでしょう。
そして、このオピニオンリーダーの好き・嫌いの直観には、
合理性や論理性を超えた判断が加わり、
約束を守らない企業は、
その品格・品性のオーラのなさゆえに、
市場からはじき出されるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今、この文章を読み、この場で「そうだ」と思える人は、
おそらく一握りの方でしょう。
なぜなら、旧来のオピニオンリーダーが生息するマスコミには
充分な「人間力」を持った人が、まだ僅かしかいないからです。
虚像に生き、思考停止した世界を見ても、時代の流れは見えません。
しかし、よくご自分を振り返ってみてください。
なぜ、好き・嫌いを感じるのですか?
人間の感性は、なぜ上等、下等を感じるのでしょうか。
そして、あなたの直感的判断は、
あなただけが感じているものですか?
感性的なことは主観的なことのように見えて、
意外に客観的(普遍的)であることが多いのはなぜですか。
他の人もそう感じるなら、
そこに何か理由が存在するのではないでしょうか?
これらの「なぜ」という問いかけは、
人間力を中心とする「付加価値主義経済」が
本格的に動き始めたならば、避けて通れないものとなるでしょう。
この「なぜ」にいち早く答えを見出し、
来るべき時代に備えていただければと、願っています。
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「信頼」というテーマを「理解」「透明」「約束」「自己信頼」
という4つの切り口で考えています。
今回は、「約束」でした。
約束には、今回とりあげた論点意外にも、
●自分自身との約束
●企業の約束:「企業理念」「経営計画」「ブランド」等
●生まれる前の約束。
など色々な論点があります。これらの点については、
また機会があれば触れてみたいと思います。
なお、誠に勝手ではありますが、個人的な事情により、
『仕事の悟り』を2週間ほどお休みさせていだきます。
★★★次回は10月15日頃お会い出来る予定です★★★